企業の損益計算において、かなり重要なのが、売上などの「収益」と、人件費や経費などの「費用」を対応させることです。
以下、参考になればと思います。
収益と費用の対応とは何か?
これは、売上などにより得たお金(収益)に対して、その収益を得るために支払ったお金(費用)を正しく対応させる、ということです。
例えば、商品販売業で10円の品物を8個仕入れたとしましょう。
そのうち、5個を20円で売ったとします。
売上は5個×20円で100円になります。
では、仕入れの金額は、8個×10円=80円で良いのか?
答えは、80円ではダメなのです。
5個を売ったのであれば、その5個を売るために要したお金、
つまり仕入れの金額は5個×10円=50円が正解になります。
仕入れの金額を80円にしてしまうと、3個分の費用が過大計上となり、
売った5個分の「利益」が正しく計算されないことになります。
このように、収益と費用の対応とは、売ったモノと、それを売るために要した費用を整合性が取れるように対応させる、ということです。
なぜ収益と費用は対応させなければならないのか?
これは、上記で少し書きましたが、対応が照れていないと、
「利益」が正しく計算されないことになるためです。
一般に公正妥当と認められた実務上の約束事などをまとめた「企業会計原則」によると、
「適正な期間損益計算を行うため」
という一言に集約されます。
「費用収益対応の原則」という原則も存在し、損益計算をするうえで相当重要な原則となっています。
税理士試験の特に財務諸表論においては、この適正な期間損益計算という用語はかなり重要で、説明できるようにしておかなければなりませんね。
収益と費用の対応の種類
2種類あります。
【個別的対応 】
売上に対する売上原価のように、直接対応関係があるもの。
上記のモノの例はこれですね。
【期間的対応】
売上に対する販売費および一般管理費のように、会計期間を媒介する間接的な対応関係のもの。
事務方が使う事務消耗費などはこれです。モノ1つ売るのにボールペンどのくらい使ったか?などは分かるはずがないので・・・。
以下は、期間的対応の1つである、減価償却費についてです。
減価償却費の計上と試算表への反映について
勤務する会社の場合
私の勤務する会社では、WEB関連事業として、ホームページなどの制作のどの業務があります。
ただ自社で製作する訳ではなく、簡単に言えば、お客さんから請け負った仕事を、外注先に丸投げしてマージンをもらう、という事業です。
売上に直接対応する費用は外注費となるため、これを対応させる必要があります。
これがなかなか大変で、案件管理表を作成して、1つ1つの案件ごとに売上金額とそれに対応する外注費を把握し、利益を算定することで、この事業の収益と費用の対応関係を確認しています。
まとめ
- 収益と費用の対応を把握することは、正しい利益計算をすることと同じ
- 個別で対応を確認できる場合は、把握するようにする
- 対応の種類は2種類ある
こんなところでしょうか。
税務調査でも必ず見るところだと思われるので、しっかり把握しましょう。
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